- グッドニュース新聞編集部
くもり空が見せてくれた奇跡
太陽の一部が月に隠れる「部分日食」が、12月26日の午後に日本でも観測されました。
昨年、日本で観測されたのは、二度目のことです。一度目は1月6日に見ることができました。
「部分日食」とは、太陽と月と地球が一直線上に並んだときに、地球から見て、太陽の一部が月に隠れる現象です。
私は、この神秘的な現象を写真に収めたいと意気込んでいました。しかし、当日のその時間はとても雲が多く、日食どころか太陽すら見えない空模様。なんとか少しでも見えないかなぁと、ちょくちょく空を見ていました。
しばらく観察していると、流れる雲の厚みが薄らいだときに、かすかに太陽が確認できることに気づきました。雲の少ないときに撮影すると、カメラのファインダーには日食して
いる太陽の姿がくっきりと――。
なんと、肉眼で日食が撮れたのです!
日食は、肉眼で直視すると、たとえ短い時間であっても目を痛めてしまうので、絶対にいけません。撮影するのも、減光対策を施さずにカメラのレンズを太陽に直接向けると、カメラにも悪影響を与えてしまうため、日食を普通に撮影するのはむずかしいのです。そんななか、日食観測を邪魔していると思っていたくもり雲が、見せてくれた奇跡。
この空でなくては見られなかった、撮れなかった。どんなものも、それがどう作用するか。見方を変えると、素晴らしい奇跡がそこにはありました。
日本で次に部分日食が見られるのは、今年は6月21日です。どこにいても、誰でも見ることができる、広い空。みんなで空を見上げましょう。
(東員町・カメラマン・鈴木歩・39歳)
