
グッドニュース新聞編集部
すべては子どもたちのために
2020年3月31日、37年にわたる私の教員生活が終わりを迎えます。
まさか私が、定年まで教員を続けられるなんて思ってもみませんでした。つらいこともあったはずなのに、ふり返ってみると楽しい想い出ばかりです。
この37年間、さまざまなかたちで教育に関わる人々と出会ってきました。保護者、教員、行政、企業――。
しかし、ときに立場や思想の違いから、教育に関わる大人どうしでの対立も起こります。人間ですから、意見の違いがあるのは当然です。むしろ違う意見があるからこそ、教育は発展していくのだと思います。意見は違えど、その根底にある想いは皆おなじです。
子どもたちのために――。この想いが根底にある限り、たとえ意見が違っても、教育は必ず良い方向へ進むと信じています。
私は知っています。教育に関わるすべての大人が、子どもたちのために汗を流して頑張っていることを。教育に関わるすべての大人が、子どもたちの笑顔に元気づけられることを。
日本の教育に必要なのは、斬新な手法ではなく、教育に関わる大人を支えることだと、私は考えます。親も人、教員も人、国も人です。ひとりですべての重圧を受け止められる人間なんていないのです。
私は教員を引退した後、37年間で得た知識と経験とつながりを、人を幸せにするために使いたい。教育に関わる大人が迷ったとき、悩んだとき、背中に手を当て、「大丈夫だよ」と言える存在になりたいと考えています。
子どもたちから、「こーちょーせんせー!」と呼んでもらえるのもあと少し。引退まで数か月。残りの月日で、いま関わっている子どもたちのためにできることを、ひとつでも多く実行していきます。
すべては皆さんとおなじ、子どもたちの笑顔のために。
(絶好調な校長・60歳)