
グッドニュース新聞編集部
コロナウイルスが環境問題を改善!?
新型コロナウイルスは、私たちの生活に多くの変化をもたらしました。働き方、余暇の過ごし方、オンラインでのつながり。これら目に見えるものもそうですが、いつになく人々の密度が薄い街を歩きつつ深呼吸してみると、「空気がおいしくなったかな!?」とさえ感じたりもします。
驚いたことに、そんな空気の変化もあながち気のせいではないようです。しかも、これが地球規模での話でした!
ニューヨークでは、PM2・5(微小粒子状物質)が、例年の50%以下まで低下し、大気汚染が大幅に改善されたことが、コロンビア大学の研究チームによって発表されました。
「空気がこれほどきれいになるのははじめてだ」と、当大学のロシン・コマーン教授は結論づけています。
一方、中国でも、大気汚染が大幅に改善されたことにより、最大7万7000人の命が救われたというスタンフォード大学の研究結果が出ています。
「地球の自浄作用」というべきこの変化は、大気汚染改善にのみとどまりません。イタリアの都市・ヴェネチアでは、観光客の減少に加え、外出禁止令が発令されて、船の往来が減少。それまで濁っていた水路が、なんと水底が見えるほどにまで格段に透明度を増したそうです。「水の都」の本来あるべき姿を取り戻したということでしょうか。
暗いニュースがつづくなか、人間の活動と環境問題とが、これほどまでに密接に関わっていることを、新型コロナウイルスが、私たちにそっと教えてくれているのかもしれません。豊かな自然のなかで生かされているありがたみを、変わりゆく暮らしのなかで忘れないようにしたいものです。
(世界を知るGNP記者・石田和靖・48歳)