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  • グッドニュース新聞編集部

コロナ禍で見つけた希望のカケラ

 いなべ市立藤原中学校園芸部が育てた植物や雑貨の展示販売と、県立いなべ総合学園高校美術部の作品展示。コロナ対策を意識しながら、これら地元中高生の催しが、いなべ市のにぎわいの森で実現できたことが、ただただ嬉しい。

 そう、「嬉しい」という表現がしっくりくる。

 このように、コロナのせいで表現や発表の場を奪われた中高生に、主人公となれる場をわれわれ大人が用意できると、ボクたちも心が救われる。そして、この催しを否定する大人はいなかった、ということも重要だ。

 もし、これを大人の誰かが「対策は万全なのか?」、「感染者が出たらどうするのか?」と、いかにもな「正論」を掲げて大声で否定すれば、催しは簡単に中止となっていただろう。そんなご時世だ。SNSでは今日も、当事者やその人たちを取り囲む状況をまるで知らない人たちが、都合よく切り取られたごく一部の情報だけを拡散させ、訳知り顔で勝手な批判を繰り広げている。

 それら情報の断片に「正論」なるものがあったとして、安易に納得なり同意なりをしてしまう大人たちに問いたい。「正論」とは、そんなに正なるものなのか? 一見まっとうに見える「正論」も、時に人の心を崩壊させたり、必死に努力する人を追い詰めたりする凶器になり得る。コロナ禍になって、そうした「正論」が人を傷つけているケースを目にする機会が多くなった。

 まちづくりは、SNSやネットのような電脳の世界の出来事ではない。生身の人間が織りなす、血の流れた行為だ。だからボクたちは、形ばかりの「正論」ではなく、思いやりこそを大事にしたい。

「何かあったらどうするのか?」

 そう問う声もあるだろう。けれど答えはシンプルだ。ボクたち大人が矢面に立って批判を浴び、責任を負えばいい。中高生が生み出すアートにも、もちろん彼ら自身にも、一切、罪はない。

 今、コロナによるさまざまな自粛の影響で、日本中の学生たちが可能性を奪われている心苦しい状況にある。どうか、最初から諦めないでいてほしい。思慮分別と配慮を伴う諦観を受け入れるには、きみたちはあまりに若い。

 もちろん、感染防止対策は最重要だ。リモートの活用もしていきたい。これらをクリアした上で、また、やろう。ささやかでもいいし、できることからでいい。諦めるよりも、可能性を探し出そう。そうして手にした小さな希望こそが、明るい未来を切り開く鍵になるのだ。

 だからボクたちは、ただただ嬉しかったのだ。コロナ禍のこのまちで、若い人たちから希望のカケラを見つけられたことが。


(三重県・The Inabes・40代2人組)


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