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  • グッドニュース新聞編集部

ジャン=ミシェルを待ちながら――『バスキア展』随想

 今秋9月21日より開催の『バスキア展』が、まもなくその幕を閉じるという事態に気づき、先日、慌てて六本木ヒルズ・森アーツギャラリーへとかけ込んだ。

 約2時間半待ちという盛況ぶりで、さすがにげんなりしたものの、間近に接した荒ぶる作品の数かずは、待った甲斐ありと唸らされるものだった。

 ジャン=ミシェル・バスキア――米ニューヨークを活動拠点とし、ウォーホールやへリング、メイプルソープといった名だたるアーティストらとともに、世界の中心に君臨しながらも、わずか27歳という若さでこの世を去った稀代の天才画家だ。その稲妻さながらの生きざまを、作品群を通して追体験できたのだから、たかが2時間や3時間待ったくらいで不満などこぼしては、天罰がくだるというものだろう。

 事実、他の芸術家による抽象画やコンセプチュアル・アートとは明らかに異質な、怒りにまかせて描き殴ったとしか思えないタブローやドローイングなどの展示物に、とにかく圧倒され通しだった。それでいて高度に洗練されているのだから、恐るべき達成としか言いようがない。でたらめに交錯する無数の線を目で追ううち、やがて現実感は遠のき、古代壁画で埋めつくされた洞窟にでも迷いこんだ気がした。

 芸術の秋、などというと何か取ってつけたようだが、たまには日常の喧騒から離れて、気前よく時間を棒にふって過ごすのもいいものだと心から思わせてくれる、そんな至福のひとときとなった。


(神奈川県・会社員・鐘火・52歳)


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