- グッドニュース新聞編集部
ヒトはたくましく、強い
最終更新: 2020年10月7日
あなたには想像できるでしょうか? あたたかい布団の中で深い眠りについている午前3時――。突然家がブルドーザーで壊されて、その瞬間から住む場所を失い、茫然と立ち尽くすしかない世界を……。こんな信じられないような出来事が、実際に、それも頻繁に起きる場所がこの世界には存在します。
お久しぶりです。GNP特派員のKIKUです。創刊準備第1号で寄稿したケニアのキベラスラムの話は覚えていらっしゃいますか? 冒頭で触れた通称「強制撤去」が起こる場所こそ、そのキベラスラムなのです。
政府や自治体の開発目的で、深夜未明に何万、ときには何十万もの人たちの生活するバラックが、機動隊の手で一斉撤去されるという言葉も出ない現実。両親が夜な夜な仕事で家を空けているため、子どもたちしか残されていない家も多数あります。ましてや家を失っても引っ越すお金がない。その場所で生きるしか選択肢はないのです……。
わたしはこの現実を知ったとき、いっさい言葉が見つかりませんでした。では、なぜ今回グッドニュースとしてお伝えしたかったのか。その理由は彼らの「生きる強さ」をみなさんに届けられたら、なんらかの力に変えていただける気がしたからです。
私たちであれば、絶望しか感じないであろう状況下においても、強制撤去を受けた人たちは、すぐに前を向いて働きはじめます。家も食べ物もなくたって、泣いているヒマがあるくらいなら、「今」を必死で生きるのです。きらきらとした笑顔を浮かべながら。
まさに人間のたくましさを目の当たりにした体験でした。人の数だけ悩みも問題もありますが、読者のみなさんとこうして時々グッドニュースを分かち合いながら、前を向いて進んでいければと願っています。
(埼玉県・特派員・KIKU・34歳)
