
グッドニュース新聞編集部
健康ランドでの出来事
先日温泉に入っていると、「おい! 動かさないほうがいい!」といった穏やかではないざわめきが聞こえてきました。
当時、救急隊員として働いていた僕は、「もしかしたら人が倒れたのかな?」と思い、人だかりのほうへかけ寄っていきました。すると60代くらいの男性が椅子に座りながら、ぐたっと背もたれに寄りかかっていました。
明らかに意識が朦朧(もうろう)としており、ただごとではない様子です。周囲の人たちからは、なんとか手助けしてあげたいという姿勢がうかがえましたが、具体的にどうしていいのか戸惑っている様子でした。
僕は救急隊員だった経験から、「わかりますか? だいじょうぶですか? お名前を言えますか?」と声をかけました。
「ううっ、だいじょうぶです。〇〇と言います」と辛うじて答えられたものの、やはり意識が朦朧としている様子です。脈をとったり、瞳孔を見たり、観察を続けながら、まわりの人にスタッフを呼んでもらうなどの手配をしました。
観察したところ、脳卒中といった緊急性の高い症状ではありません。幸い本人の意識もしっかりしてきて、自力で水も飲める状態になりました。
サウナに入った後、座って休んでいて意識を失ったそうですが、最終的には大事なく、救急車など必要ないまでに回復しました。
まわりの人の対応も良かったですし、あとから対応してくださったスタッフも冷静で素晴らしい対応でした。
この出来事から感じたことは、見ず知らずの他人が倒れても、皆で助け合える素晴らしさです。人はいつどうなるかわかりません。突然倒れたとき、さまざまな人どうしが助け合えるこの国は、本当に素晴らしいところだなと感じました。
(秋田県・自営業・加藤晶一・31歳)