
グッドニュース新聞編集部
大きな変化の時期を迎えて
今年に入ってはじまった新型コロナウイルス騒動も、日本ではようやく出口らしきものが見えはじめました。1人10万円の定額給付金も、本町では、ほぼ配布を終えました。
この給付金ですが、日本で初めてのベーシックインカム(国民一人ひとりに一律の最低限所得保障をする制度)と言ってもいいものですね。
今回の新型コロナ事件を踏まえ、私たちは、いままでの行いを反省する時期に差しかかっているように思えます。社会の仕組みや、法を含めたさまざまな制度を、大きく見直していくべきなのではないでしょうか。
そのひとつとして日本でも、ベーシックインカムの議論を本格化させるチャンスだと考えています。
日常を生きるなかで凝り固まってしまっていた価値観を、大きく見直すきっかけが与えられたという意味では、新型コロナの影響も悪いことばかりとは言えません。
たとえば、大気汚染最悪の国のひとつであるインドの北部では、数十年ぶりに200キロメートル離れたヒマラヤ山脈が見わたせたという報告があったそうです。
つまり、いま地球上の大気はとてつもなくきれいになっているのです。
横浜にいる友人は、なかなか外出することもままならない状況がつづいていたのですが、その彼が、今年4月に撮ったという富士山の写真を送ってくれました。その写真を見て、春霞のかかるこの時期とは思えない美しい雄姿に驚きながら、やっぱり空気がきれいになっているのだと実感しました。
愚かな人間の知恵などよりも、自然の力が偉大であることを、新型コロナは教えてくれました。
私たちは、この地球上に存在するあらゆるものと共生しています。その事実を再確認しつつ、将来に歩みを進めなければなりません。
(三重県・東員町長・水谷俊郎・68歳)
