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  • グッドニュース新聞編集部

天体スペクタクルへの招待状

 新型コロナ禍のつづく、そんないまだからこそ、いっそ宇宙にでも視野を広げてみません

か。なんだか現実逃避みたいな気もしますが、でも人類の苦悩や不安をよそに、宇宙はいつもと変わらない美しさで存在しています。

 夜、あなたがふと空を仰ぎ見たとき、真っ先に目に飛びこんでくる星座は、おそらくオリオン座だと思います。神話のなかで、蠍(さそり)に刺されて昇天したとされる巨人の右肩あたりには、あの印象的な赤い星が瞬いています。

 巨星ペテルギウスです。

 大きさはじつに太陽の1000倍。地球からは642光年ほどの距離にありますが、このペテルギウス、なんと星としての寿命がすでに尽きかけています。尽きた際には、核融合反応が暴走して、超新星爆発が起こり、その結果、中性子星もしくはブラックホールになるそうです。

 爆発にともない、危険なガンマ線バーストを放出するともいわれていますが、地球とは別方向に放出されるとのことで、まずはひと安心――。

 物理学上、普遍的な時間などは存在しませんが、あえて観念としての時間軸でとらえた場合、いま私たちが見ているペテルギウス、すなわちオリオン座の一角は、とうの昔にすでに消滅しています。遠い距離を隔てているため、私たちからは過去の姿しか観測できない、光が届いていないというだけの話です。

 しかし、その瞬間は迫っています。超新星爆発という人類史上未曽有の天体ショー。遥か空の彼方からその招待状が届くのは、明日の夜、いや、いまこの瞬間でも不思議ではありません。

 このとき、みなさんの頭上には、太陽と見まがうほどのまばゆい光が出現します。光は3か月ほどのあいだ、夜も昼もなく地上を照らしつづけ、その後、オリオンという星座はこの世界から姿を消すことになります。寂しいような、でも、すごく見てみたいような、そんな気がしませんか。


(埼玉県・会社員・太敷正児・48歳)


#太敷正児

#創刊第3号

#自然


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