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  • グッドニュース新聞編集部

竜の背中へ ネバーエンディング・ストーリーの世界広がる竜ヶ岳

 息を切らして、やっと山頂にたどり着いた。

 竜ヶ岳を登ると、物語の主人公になったような気分になれる。竜の背中に乗って大空を羽ばたいているかのようなパノラマの光景。僕は、子どもの頃に観た映画『ネバーエンディング・ストーリー』を思いだした。

 眼下に街をながめながら、風を切り裂き、竜のファルコンと大空を舞う……そんな場面にワクワクさせられた遠い記憶をよみがえらせてくれる。

 コロナ禍のよどみは時間の流れが少しずつ希釈(きしゃく)し、やっと状況が変わって竜ヶ岳の登山ができるようになった。

 夏だからこそ、涼風が吹き抜ける山は気持ちいい。

 三重県いなべ市大安町と、滋賀県東近江市の永源寺地区に広がる竜ヶ岳の標高は、1099メートル。山上は、広い草原になっていて、ヨーロッパの高原地帯を彷彿(ほうふつ)とさせる。『ネバーエンディング・ストーリー』を意識し過ぎたせいだろうか、山頂付近にある名所の「重ね岩」が、あたかも竜の頭のように見えてしまった。

 いくつも登山ルートはあるが、表道の石榑(いしぐれ)峠を経由するルートだと、山頂まで1時間程度だ。

「コロナ禍」という山の絶壁は果てしない高さに思えて、下から見あげると呑み込まれてしまいそうになる。しかし、山は自らの力で山頂まで登りきると、その人にだけ絶景を見せてくれるものだ。

 コロナ禍の絶壁を飛び越えたなら、また、竜の背中から特別な景色を見せてもらえるかもしれない。

 自分の発想があまりに幼いものだから、呼吸を整えながらひとりで笑ってしまった。そのかすかな笑い声を風が運んでいくのも、心地よかった。


(三重県・The Inabes・40代2人組)


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