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笑顔の絶交

「絶交!」という声が、駅前の雑踏から聞こえてきました。

 声の主は、高校生くらいの男の子です。少し幼げな顔を赤くして、口をぎゅっと閉じていました。

 そんな彼の前には、身長が高い、モデルさんみたいな女性がいます。……よく見ると、私の知り合いでした。しかも、十分後に待ち合わせをしていた相手です。うつむいていて、彼女の表情は見えません。

 そういえば、彼女から聞いていました。待ち合わせ前に、遊びにきた幼なじみを送る用事があるとのことでした。じゃあ、あの子が幼なじみか。でも、絶交って? 私は出ていけず、思わずのぞき見状態に――。

 彼女はゆっくりと顔を上げ、「しかたがないね」と返しました。頬は赤く、少し震えているように見えて……でも、なぜか笑っています。あれっ? と思ったのも束の間、男の子がまた口を開きました。「じゃあ、今度はカノジョになってよ」と。それに対して、彼女はうれしそうにうなずいたのです。もうわけがわかりません。

 待ち合わせの時間になって、思いきって彼女に尋ねてみました。すると、恥ずかしそうに笑いながら、「幼なじみ以上の関係になるときは、一度絶交してからやり直すって約束してたの」と教えてくれました。

 そんな微笑ましい約束を知り、私までうれしくなってしまって。ここ最近、いちばん笑顔になれた出来事かもしれません。


(神奈川県・学生・あらあら・20歳)


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