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  • グッドニュース新聞編集部

補欠

「明日の全国高校駅伝! 東京代表で2区を走ります!」

 2019年12月21日に、短いメールが届いた。

 5年前、いなべ市へとやってきた「山村留学生」からだ。彼は小学6年生のときに、「三重県市町村対抗 美し国駅伝 小学生の部」で選手候補となり、数日間、株式会社デンソー大安製作所陸上部で指導を受けた。しかし、大会当日は補欠として待機し、中学進学と同時に東京へ戻った生徒である。あのとき彼は、「走りたかったなぁ」とつぶやいた。

 休みの日は、鹿の角を探しに山野をかけめぐっていたのを思い出す。東京の中学校では、800メートルのトラック競技で優秀な成績を残したことも風の便りで知った。

「補欠」という立場を経験したこと。レベルの高い陸上部で指導を受けたこと。自然のなかでさまざまなことを体感できたこと。そのすべてが彼のエネルギーとなって、一つひとつ開花しているようである。 短いメールが、明日に向けた全力走破の誓いに感じられた。

 三重県いなべ市にある藤原町立田小学校では、山村留学という制度を30 年ものあいだ実施してきた。

 その間、200名を超える児童を受け入れている。

 地域と自然を教材とした教育を推進。地域の人々の多大なご協力や、労を惜しまぬ先生方のおかげで、真の学習力、コミュニケーション力を持つ生徒が育まれてきた。3年前、新しい学校に統合されたが、子どもたちはいまも立田小学校の卒業生として全国各地でがんばっている。補欠の経験をバネに大きく成長をとげた、あの生徒のように。


(三重県・自営業・髙橋賢次・68歳)


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